「「おつかれー!」」
大きな声と共にあちこちでグラスがぶつかり合う音がする。
タバコの臭いと肉が焼ける匂い。
わたしたちは体育祭の打ち上げで焼肉に来た。
「いやー、惜しかったよね!」
オレンジジュースをストローでかき回しながら田中さんは綾野を見る。
「さすが陸上部だな、陸生があんなに速いとは思っていなかったよ」
少し渋い顔をする綾野。
あと少しのところでわたしたちは負けてしまったのだ。
宮沢がドンマイというように綾野の皿に肉を盛っている。
「文化祭!がんばりましょお!」
突然加宮さんが大声でそう言った。
クラスメイトはうぃーすと適当に返事をしながらジュースを飲んだり肉を食べたりした。