部活も終わって実樹と駅へ向かう。
着いた場所は前に宮沢ときたファーストフード店。
2階へ上がると端の四人席にうたた寝をする宮沢の姿があった。
「翔くん、来たよおきて!」
実樹の声に反応して宮沢は目を覚ます。
「おぉ、遅かったな」
「…早退してなにしてるの」
そう、宮沢は今日早退をしている。
なのになんでこんなところに?
「いや、大丈夫な話だからな。俺も来なきゃダメなんだよ」
「加宮さんには言っておくからね」
げっと言うような顔をする宮沢。
わたしは明日こいつがどうなっても知らん。
「じゃあ!さっそく本題に入ろうよ!」
図書室の時と同じ席順で座る。
わたしが一人で向かいは宮沢と実樹。
「…非常に言いにくいんだがな、鈴崎」
「いいよ、心の準備はできてるから」
そうわたしが言うと宮沢と実樹は1回目を合わせて頷く。
二人の方が心の準備ができてないみたい。
「…昨日、俺の家に賢太が来たんだ」
宮沢の話しはこうだった。
わたしたちが駅で別れたあと、綾野は宮沢の家に来てしばらく宮沢の家でゲームをして、そのあとに実樹に連絡をして3人で集まって、綾野が二人にわたしへ伝言を頼んだらしい。
「その伝言なんだけどね…」
しばらく沈黙が続く。
周りのお客さんの笑い声や話し声。
それらが、無駄に大きく聞こえる。
「…賢太はお前と、別れたいって」