つぎの日の月曜日。綾野は休みだった。
先生が理由を言わなかった。
だから余計心配。
あの後なにかあったのかな。
その日の授業なんて頭に入らなくて、わたしは落ち着かなかった。
気づけば昼休みで加宮さんがわたしをガン見している。
「由梨香さん大丈夫ですか?」
「…あ!大丈夫だよ」
「なんだか顔色悪いですね」
そう言って加宮さんはわたしのオデコに手を当てて自分のオデコにも手を当てた。
「熱はありませんね」
「大丈夫だってばー」
笑うわたしを見て加宮さんは無理しないで下さいと言ってからお弁当箱をだす。
綾野が休みだから3人でお昼。
「やっぱり綾野くんがいないと静かですね。そういえば何故綾野は今日休みなんですか宮沢くん」
「…あぁ、サボリだよ」
サボり?綾野が?
「嘘つくならもっとまともな嘘をついて下さい、下手くそ」
「…」
珍しく加宮さんの口が汚い。
「…賢太は足の、通院だよ」
「それも嘘ですね。足はすっかりよくなったと聞きました」
宮沢がどんどん追い詰められている。
顔を見ればわかる。
「嘘なんかじゃねぇよ。足の通院だ」
「私は本で見ました。男の人は嘘をつくとき人の目を見ないって」
…おわったね、宮沢。
加宮さんには勝てないよ。
「俺は知らないもう聞かないでくれ」
そう言って宮沢は席をたって教室の外に言ってしまった。
「…しつこかったでしょうか」
「…わたしずっと黙ってたね、ごめん」
1つため息をつく加宮さん。
「私、宮沢くんを追いかけます。由梨香さんは待っていてください」
え?
「いいけど、またトイレに入らないようにね?」
今度は、はいと返事をしてから教室を出ていった。
なんだか不安だな。
…嫌な予感がするんだ。