それから数十分、電車に揺られてわたしたちは遊園地に向かって遊園地の近くの駅で降りて、そこからバスに乗り換えて向かった。
日曜日なのに、すいてるなぁ。
それもそうだった、わたしたちが遊園地についたのは開園前だから。
「45分あるね」
「早すぎたか」
ゆく宛がないのでとりあえずベンチに座る。しばらくしゃべっていると、お年寄りが二人の小さい子供を連れて坂道で遊びにきた。
「可愛いね、わたし小さい子好きなんだ」
親戚に小さい子が多いこともあって、子供とはすぐ打ち解けられる。
「由梨香らしいな、見た目からしてそうだもんな」
見た目って関係あるのかな?
「なによ見た目って」
わたしがそう笑うと綾野はこう言った。
「由梨香って、優しそうなオーラっていうのかなそれがすごいんだよな。だから子供に好かれそうだなーって」
「…そんなこと言われるの初めて」
「おっ、じゃあ俺由梨香の〝初めて〟ゲット〜」
ふざけて言う綾野が面白くてわたしは笑う。
それを見た綾野も笑う。
なんかいいなこういうの。幸せ。