「翔か!」
バトンを受け取ると同時にトップスピード。
一気に追い上げていく。
「翔ー!いけー!とっちめろー!」
「がんばれ!宮沢がんばれ!」
すごい、めちゃくちゃ足早い。
半分ちょっとで抜かした。
「そのままいけー!」
「あとすこし!がんばれ!」
グラウンドにクラスの誰よりわたしたちが声を出して応援していた。
結果は加宮さんチームの勝ち!
「おぉーよかった」
「勝ったねぇ」
いい勝負だったなぁ。
次はもうご飯だ。
「…なぁ、鈴崎」
「ん?」
綾野見るとなにやら真剣な顔をしている。
どうしたんだろう。
「お前さ…」
わたしの目をじっと見る。
な、なに。
ドキドキする、なにを言うの?
「お前、俺の事好きか?」