昼休みが終わって、放課後の授業。
綾野がいつものように先生をおちょくって怒られて、それを見て笑うクラスメイト。
〝賢太は、鈴崎と付き合えない〟
さっきの宮沢の言葉が頭の中をまわる。
なんで、そういうんだろう?
幼なじみの二人が揃ってまでわたしに伝えたことに何か意味がある気がして。
ただ幼なじみと離れたくないから彼女をつくらせない、というわけではなさそう。
…じゃあ、なんで?
隣の席でニヤニヤしている綾野。
その前では机に伏せて寝ている宮沢。
それを起こしている加宮さん。
いつもの光景なのに、なんだか違ってみえる。
(綾野のこと諦めるしかないの?)
答えのない疑問にわたしは悩む。
黒板に並ぶ数字よりも難しく感じた。
宮沢と実樹の言う通り諦めるか、それとも自分の気持ちを貫くか。
難しいなぁ。
なんで綾野のことでこんな悩むんだろう。