ご飯が食べ終わったあとは図書室に借りていた本を返しにいく。
足を怪我してからあまりすることがなくなったからよく本を読む。
渡り廊下を歩いて向かいの等の3階の図書室へむかう。
前より歩けるようになったから壁も伝わなくても全然いける。
手すりを使って階段を登って図書室に到着。
ドアを開けると今日は係りの人もいない。
「貸切?」
珍しいからしばらくここにいることにした。
適当に本を選んでイスに座って読んでみる。
しばらくするとドアが開く。
誰だろう?
「お、いた」
そこには宮沢。
の後ろから実樹も。
「お二人さんデートかなにか?」
「バッ…!なわけ!」
「ちょっと由梨香にお話!」
図書室の奥にある四人がけのテーブル。
私の向かいに二人が座る。
「で、どうしたの?」
「単刀直入に聞く、お前賢太のこと好きか?」
「お友達としてじゃなくて、男として!」
…え?なんで綾野?
綾野…わたしは…
「好き…だと思う、よ。たぶん」
わたしの言葉に二人は顔を合わせる。
そして実樹が悲しそうに言った。
「由梨香、あんちゃんはダメだよ」
前にも聞いたことあるような気がした。
「…賢太は、鈴崎と付き合えない」
二人は同じ顔をしている。
わたしの目は見ずにテーブルの中心を見てるみたい。
「…綾野、なにかあったの?」
この言葉に二人は同時に口元が動く。
実樹はちらっと宮沢をみる。
「…理由は言えないんだ。ごめん」
「由梨香、由梨香にはもっといい人いるよ。あんちゃんはやめよう?」
二人は悲しそうな顔をしている。
「…二人とも、そんなに心配しなくても大丈夫だよ?わたしだって好きって確信したわけじゃなよ。」
そのわたしの言葉に二人は目を合わせて安心したような顔をしていた。