「おつかれー」
「…はぁ、疲れた」
汗だくの実樹。後輩も同様。
「峠は越したね、後は楽」
顔にタオルを巻いている。
これ、綾野もよくやってる。
実樹普通にしてればモテるのに変なことするから…ざんねん。
それから実樹はしばらく自分のカバンを枕にして休んでいた。
15分ほど休んでダウンとストレッチ。
その間にわたしはみんなのタオルや着替えを畳んだりとの作業。
マネージャーも結構仕事があります。

辺りは既にオレンジ色。
ストレッチも終わって帰るまでの少しの談笑タイム。
この時間を使う。
「実樹」
スポーツドリンクを飲む実樹にわたしは声をかける。
「ん?なになにー?」
わたしは、これと宮沢から預かった紙袋を渡す。
「あれ?誕生日じゃないよ?」
いいからいいから、と実樹に開けさせる。
怪しそうな顔をしていた実樹の顔は紙袋を開けた瞬間、悲しそうな嬉しそうな顔をする。
「これ…このうさぎ…」