「面白い子ですね」
加宮さんが教室のドアをみている。
「うん、同じ部活の子だよ。うるさいけどいい子」
「さっきの実樹じゃん!」
「…久々だな」
綾野と宮沢が実樹のことを知っていた。
「三人はご近所なのですか?」
「おう、実樹の右の家が俺の家、左側が翔の家だ」
宮沢がため息混じりに毎日大変と言っていた。
「てことは、幼なじみ?」
「いや、腐れ縁…」
「幼なじみだぜ!」
宮沢に重ねて綾野が言う。
なんでこうも二人は違うのか…。
見てて面白いけど。
「とにかくよかったじゃん?実樹元気そうだしさ!」
「…うるせぇよ」
宮沢の顔が曇る。
実樹となにかあったの?
「宮沢くん、ヒモ男はダメです」
ちげぇよと宮沢は頭をかく。
「翔と実樹と俺仲良かったんだぜ!」
…しらなかった。
「…実樹は覚えてねぇだろ」
「覚えていないかはわかりませんよ?宮沢くんは超能力者ではないですから。ので、由梨香さん」
突然ぐりんっとわたしの方を見る加宮さん。
「あなたには重要な任務です」