教室に入ってからさっそく加宮さんが早足でこちらにくる。
無表情で。
加宮さんは基本無表情。
そう言えば笑っているところ見たことない。
「おはよう、加宮さん。荷物ありがとう
ね」
「いいえ、気にしないでください」
「お!来たか!」
明るい声の主は、綾野だった。
あれ?元気なの?
「あ、おはよう」
「おう!おはよう!お前も怪我したんだってな!」
綾野の足元を見ると、とくに変わったところはない。
「綾野も足…怪我したんじゃ…?」
「あぁ、あちいから湿布にしたわ!」
え。なにやってんの。
「だ、大丈夫なの?」
「おぉ!俺的には問題ねぇ」
ぐっと親指を出す。
「朝からうるせぇよ、賢太…」
頭をかかえる宮沢。怪我をして静かになると思ったのだろう。
「いいじゃないですか。暗い綾野くんよりも明るい綾野くんのほうがいいです」
「いいこと言うねぇ委員長!」
やっぱり綾野がいるとまた空気が明るくなる。
こういうところ 好き だなぁ。
ん?
すき?