二人は最初にショッピングモールをうろうろしたり、ＵＦＯキャッチャーに没頭したり(祐也)、ペットショップで犬と猫を片っ端から抱っこしたり(菜々子)、けっこう楽しそうにしている。
｢見た目はまったく違うのに、笑った顔はそっくりだな、あの２人｣
途中、賢太はそんなことを呟いていた。
どうやらわたしは坂間祐也という男を見くびっていたようだ。
あんな菜々子の笑顔を見たことない。
外はもうオレンジ色に染まっていた。
すると祐也は菜々子の手を引いてどこかに連れていく。
｢おやおや？これはいかがわしいとこに…｣
｢黙って｣
二人の後をついて行くと小さなレストランにはいる。
｢予約していたとこってここかな？｣
｢レストラン フリューニ？無名だな｣
小さな窓から店内を覗いてみる。
小さな店内は客で賑わっていた。
角の席に二人が向かい合って座っている。
突然のことで菜々子はそわそわしてる。
｢さすがにここに入るわけにはいかねーから、向かいのラーメン行くか｣
｢ナイスアイディア｣
わたしたちは気になりつつも向かいのラーメン屋さんで食べることにした。