今日は実樹に階段を登るのを手伝ってもらった。
怪我の症状や今後について話しながら。
「じゃあ、完治するまでうちがちび共を仕切ればいいのね。あ、明日からはうちじゃない子のほうがいいよ。部活終わるの遅いかもしれないし、遅刻させちゃう」
「ありがとう。じゃあそうするね」
「うん。まぁ、それは置いておいて…」
実樹がニヤリと笑う。
「さっき隆生と抱き合ってたけど、二人は付き合ってるのかな?」
「っ!!」
見てたんだ…。
「あれは、わたしが野球部にぶつかられてバランスを崩しちゃったから…」
ほほうと実樹がいう。
「うちは隆生、由梨香のこと好きなんだと思うけどなー。よくちょっかい出してるし」
「あれは仲いいからだよ」
実樹が腑に落ちない顔をする。
「隆生についてはまたファミレスに言ったとき語ろう。と、3階についたね」
「実樹、ごめんね。ありがとう」
お大事にと笑って実樹は走って教室にいった。
早く教室に入れー!と先生が大声で言ったからだ。
わたしも目の前の教室のドアを開けて自席へと向かう。