「あたし祐也くんに告白しようと思うの」
6月の中旬、菜々子は急にそう言った。
「ダメなのはわかってるよ、でも自分の気持ち早く伝えてスッキリしたいんだ」
そうわたしに伝えて菜々子は席を立つ。
そして談笑していた祐也を連れて廊下に行く。周りの男子が告白かー?とはやし立てている。
菜々子、意外と大胆。
そんなことより祐也の返事が気になる。
入学式から1ヶ月経ったけどまったく話したことない。
菜々子が心配。あの子のことだからきっと泣くのも我慢してわたしに笑いかける。
その顔がわたしは嫌だった。
追いかけたい気持ちを抑えて教室で菜々子の帰りを待った。