バレンタイン当日。
由梨香とあの二人の分と友達数人の分と、隆生の分。
由梨香の言う通り少し生にしたらサクサクになった。
自信のある一品。
「実樹ー!おはよー!」
駆け足でくる由梨香。
走る由梨香を見ると不安になる。
あの日ちゃんとうちが止めなかったから、由梨香は駅伝走れなくなった。
「お、おはよー!」
無理やりな笑顔で由梨香を迎える。
「さっそくだけどハッピーバレンタイン!」
そう言って由梨香は小さな箱を渡してくる。
開けると綺麗なトリュフ!
「すっご!なにこれすっご!」
これだと渡しにくいなぁ。
「ね、実樹のちょうだいよ」
由梨香がにこにこしてる。
「こ、これ… 」
いろんな形をしたクッキーを渡す。
「わー!可愛い!ありがとう!!」
さっそくあけてひとつ食べる。
「おいしー!」
「ほんと!?ほんとに!?」
笑顔で頷く由梨香。
「最高においしいよ!止まらないよ」
これなら隆生にも渡せるかな…?