やる事もなく、部屋でごろごろして晩御飯の時間を待つ。



ブロロロ・・・



窓の外で軽トラックのエンジン音が聞こえた。

そのエンジン音はこの家の敷地内に入り、間もなく聞こえなくなった。


祖父が畑から帰ってきた様だ。


「ただいま。」


玄関の方で祖父がそう言うのが聞こえた。

それに返すように祖母がパタパタと駆け寄る音が聞こえた。

「お帰りなさい。もう少しでご飯できるから、先にお風呂でも入ってきたら?」

僕は、祖父に挨拶もせず部屋にとじ込もっていた。


すると、部屋の襖が開いた。


「おう!達也。ただいま!」


祖父が明るく僕に話しかけた。


「おかえり。」


僕はそんな祖父と対照的だった。



「お!今日も挨拶できたな!偉いぞ!」

祖父は、そんな僕でも必ず褒めてくれた。



それからしばらくして、祖父がお風呂からあがり、食事の時間となった。

今日のおかずは唐揚げと豆腐の味噌汁。

僕の好物だった。


僕はそれらをたいらげた。

「ごちそうさまでした。」

そして、二人と会話もしないで部屋に戻って行った。