そんな事を考えていたせいか、または日が落ちてきて涼しくなってきたからか、帰りはあっという間に家に着いてしまった。


「なんだ、達也。もう帰ってきたのかい?」


祖母が掃除機を片付けながら言った。

どうやら掃除は終わり、これから晩御飯の支度をする所の様だ。


「今日は何にするかまだ決めてないんだよ。達也は何か食べたいものあるかい?」

祖母がニコニコして僕に問いかけた。


しかし、僕は目をそらした。


「別に・・・。」


「あ・・・、そうかい?じゃあ、おばあちゃん勝手に作っちゃうね。」

祖母は笑っていたが、どこか寂しげにしていた。


僕は、そんな祖母の横を通りすぎ、自分の部屋に戻った。




部屋に戻り、汗まみれになったシャツを着替えベッドに横になった。


そして、祖母の悲しそうにした顔を思い出した。



(ばあちゃん・・・。ごめんな・・・。)



こんな事思うのは、この世に祖父母の二人しかいない。



僕は、人が怖いんだ・・・。