僕は近くの駄菓子屋でアイスを買い、それを歩きながら食べた。


それでも僕の体の熱は冷めず、炎天下の中をぶらぶらと歩いた。



祖父母の暮らすこの村は、山に囲まれた田園地帯で、そこを抜けるとすぐに海に出られるという、とても魅力的な土地だった。

僕は、そんなこの村の景色を眺めながら歩くのが好きだった。

しかし、そんな僕も暑さには勝てない。


どこか涼める所はないか。

歩きながら色々探してみたものの、コンビニすら見当たらない。

あるのは、大きく広がる田園と所々設置してあるバス停に民家。

一番近いコンビニまで歩いてあと30分もある。

僕は自転車を持ってくれば良かったと後悔した。



とりあえず思い付くのは、そのコンビニしかない。

今帰ってもまた追い出されるだけだし。


僕はコンビニを目指した。

すると、しばらく歩いた所にこの景色とまるで釣り合わないコンクリート造りの建物が姿を現した。