「ちぃ、帰ろうか。あと10分で電車も来るし。」


大粒になった雪をあたしの頭から払って、ゆっくり歩き始めた。



「・・・今日はありがとな。」



「こちらこそ、ありがとう!楽しかった。・・・このマフラー、どうしよ?洗濯して返したらいい?」



「やる。」




「え・・・でも。」



「クリスマスプレゼント。つーか、お詫び。」



「お詫び?」



「・・・困らせて悪かった。」



「困ってなんか・・」




「勝手だけど・・また新学期始まったらいつか・・駅で会えるか?」



「うん、もちろん!」



電車はあっけなくあたしの家の最寄駅についてしまった。



電車の扉が開く。



「待ってるから。その時にでも返事聞かせて。」



別れ際に瞬が言った。




「うん、わかった。じゃあ…またね。」



まだ告白の返事を断ったわけでもないのに・・・。
手を振る瞬の顔が切なくて、まるでもう諦めてるみたい。




即答できない、こんなあたしでごめん。






・・・無駄な恋をさせてごめん。