両手に握るビンゴのカードをじぃっと見つめるあたしたち。




『最初の番号はー2!2番です!』




「ちぃは、好きなやつとかいんの?」


「えぇ?なんで。」




『次はー16!16番です!』



「たとえば・・・大人とか。」



「大人?」



「あいつ・・・23歳、だっけ。」




誰のこと言ってるんだろう?



あたしが首をかしげると、瞬はあたしの手元に手を伸ばした。




両手でビンゴのカードを握りしめていると、瞬はぐっと紙を押して一つ穴をあけた。



「ほら16番、開いた。」


「あ、ありがと。」



急に近づいた距離に、思わず赤面。



『次の番号は、22番!22です!』




「23歳に憧れる?」



「23歳に・・・。」



23歳か。



それは憧れるよ。



だって、あたしには20歳以上向こう側を生きる可能性はないんだもん。




21歳でも、22歳でも、23歳でもなんでもいい。



少しでも長く生きれるなら・・・