「ではーみなさーん、コップをもって!!メリークリスマース!!」


クラッカーがはじけて、彩りを増した。



「ちぃ、飲まねえの?」


「うん。ごめんね、飲めないんだ。」


「炭酸嫌い?」



「ううん、食事制限があって。砂糖とか塩分とか。」


「んなこと載ってなかった・・・。まじであのサイト使えねえ。」


「え?」


「じゃあ俺が飲む。水とかお茶とかならいけるか?」


「うん!」


「とってくる。ほうじ茶配ってたから。」


「え、あぁ・・・。」



するすると人ごみを抜けていく。


ここまでたどり着くのも思ったより楽に進めてる気がしたんだけど。
遠くを歩く瞬を見て、ようやく気付いた。



見た目が怖そうだから、立ってる人の方が恐れるように瞬を避けてる。


「あはっ・・・」



みんな瞬のこと、わかってないなぁ・・・。



「・・・ほら。」


「ありがとう・・・。」


あったかいほうじ茶、瞬のあったかい気配り。