「はぁ・・・。綺麗・・・。」


思わずため息がでちゃった。


大きなツリーはカラフルな電飾で彩られて、クリスタルの大きな星がてっぺんで輝いてる。


「ちぃの単語帳みてぇ。」


「あはっ。ほんとだ。カラフルだね。」


はぐれるわけでもないのに、繋いだ手を離したくなくて。
もしかしてそれが伝わっちゃったのかな。



あたしたちはずっと、手を繋いだまま。



ツリーから零れる光、あったかい手のひら。



「・・・綺麗だな。」



優しく響く、低い声。




クリスマスの音楽に混ざる、周囲のひとの楽しそうな声。



こんなところにいるあたし、世界で一番幸せなんじゃないかな。





うっとりする世界の真ん中で、商店街のおばちゃんたちが、ジュースのシャンパンを配りはじめた。


瞬は2つうけとってくれた。



「ほら、ちぃ。」


「ありがとう。」




シャンパン・・・の中の砂糖。あたしの体調は食べたものにすら左右される。



特に今は、この前体調崩しちゃったから、食事管理を徹底するように言われてる真っ最中。



今日は調子がいいけど、悪くなったら絶対困る。



・・・だから、飲めない。