でも自分自身のこと忘れてた。


「ちぃはチビだからな・・・。見失う。」


「あ、そっか。」


赤いマフラーが目立ったとしても、あたしの背が低いから埋もれちゃう。


そして、人ごみで見えないツリー。


ここをかき分けていくしか方法は無くて。




「・・・・手。」


「え?」



いきなり瞬に手をつかまれて、ゆっくりと人ごみの中に入った。


「・・・・大丈夫か?」


「・・・うん。」



お互い顔が真っ赤で、目が合うことは一切なくて。


どきどきしすぎて、おかしくなりそう。


「ちぃ、はやくねえか?」


「うん。大丈夫。」




瞬の手のひらをぎゅっと握り返したら、瞬が一瞬こっちを向いた。




「「・・・あ。」」




目が合って、すぐにそらした。


もう、耳まで真っ赤。


お互い、赤面しながら、ツリーまでたどり着いた。