「・・・あったかい。嬉しい。」


赤いマフラーを両手でぎゅっとつかんで呟いた。



「ん。」


「ありがとう、瞬。」


沈黙が始まった。


どきどきいってる胸の音が聞こえそうで怖いくらい。



「そこの角、右だ。」


「うん!」


曲がってみれば、人が大勢いた。


ツリーの周りだけ、人口密度がすごくて。


カップルだったり、友達同士だったり、他校の子もいっぱいいる。


「すごーい…。ツリー大人気だね。」


でも金髪で背の高い瞬はよく目立つ。


きらきらの金色の髪は、はぐれないための目印。