教室に入ると、ばらばらに並んだ机をふたつ隣り合わせて、瞬と並んで座った。



「寒くねえ?」


「大丈夫。瞬こそ、この長袖着なくていいの?」


「まだ暑いから、ちとせ寒かったらかけといて。」



瞬はいつだって優しい。


いつだってあたしを助けてくれる。


何でも願いをかなえてくれる。


あたしだって、何かしたい。






――――『でも、瞬だって色気嫌いなわけねえと思うよ?』

――――『ちぃちゃん、いつんなったら許してやんの?まだやってねえんだろ?』




さっきの、一馬くんの声がこだました。



「あ・・あの。」



あたしは瞬の顔をみつめた。



頬を真っ赤に蒸気させるあたしを見て、瞬は「・・・え?」って戸惑ってる。





「・・・あの・・。その・・。」




「どうした?」




もういい、もう・・・思い切って聞いちゃえ。





「・・・あたしと・・・したい?」