言われなくたって、わかってるよ。そんなこと。



もし瞬に何かあったら


すぐに駆け寄って、たすけたいよ。


誰より早く傍に行きたいよ。



素直に、全部、あたしを


頼ってほしいよ。


こんな風に、心配させるんじゃなくて、


安心してもらいたいよ。





でももう全部イズミちゃんにやってもらって、


彼女なあたしは、傍で手を握ることしかできない。



「痛く・・ない?」



「こんなん日常茶飯事だよ。いけると思ってフリースローでたのがまずったかな。」



「フリースロー?」


「ほらさっきのシュート。うまいことはいった。」



にっと嬉しそうな瞬。



「・・・ごめん、あたし、階段下りてて見逃しちゃった。」



「そっか。つーか、おりてきてくれてありがとう。でも無理はすんなよ。」




・・・優しさが痛いくらい。



「ボールとんでくるとあぶねえし・・どっか教室でも行っとくか?仁奈子たち夢中みたいだしさ。」



「うん。肩、つかまって?」



「大丈夫だよ。行こ。」



あたしが手を引かれて、教室へ向かった。



イズミちゃんの肩は掴まってたのにな。



でもあたしじゃダメなのも、あたし自身のせい。



"もっと頼ってほしい"なんて簡単なこと図々しくて言えない。



こんな体をもつあたしが悪い。