「瞬おつかれー!」


一馬くんの声で後ろを振りかえった。


「おう。ばてた。」


瞬は暑そうに手でぱたぱたと仰いでる。


あたしは瞬のそばに行って、「すごかった!!かっこよかった!」って簡単すぎる言葉を伝えると、


「さんきゅ。」


って瞬はそっぽ向いちゃう。



「ちぃちゃん惚れ直したってさ!よかったな!」



一馬くんがあたしたちを茶化すけど、瞬は「ふーん」って言うだけ。




「照れんなよー?」


「照れてねぇし。」



そういって、あたしの手を引いて、瞬の隣の椅子に座らせた。



あたしはどきどきしながら、瞬の傍で小さな声でつぶやいた。



「・・・観れてよかった。すっごいどきどきした。」



瞬は椅子にもたれかかって、なんでもないように「そ。」って呟いた。



「・・トキメいた。」



あたしがそんな瞬を見上げて言うと、瞬は目線をそらす。



「わかったから・・。」



そういってあたしの髪をぐしゃぐしゃにした。



真っ赤な横顔が可愛い。



こんな表情・・・あたしだけの物にしたくなっちゃう。