あたしたちはギャラリーから下の様子を眺めてた。



「それにしてもなんでこんなヤンキーばっかりなのに、スポーツ大会に真面目に参加してるわけ?」


仁奈ちゃんが柵に頬杖をつきながら、隣で下を眺めてる一馬くんに問いかける。



「女にキャーキャー言われるのが楽しいから。」



にこっと答える一馬くん。をげんなりした目で見つめる仁奈ちゃん。



「たしかに、女の子多いねぇ。」



ギャラリーを見渡すけど、半分以上が他校の制服を着た女子生徒みたい。



「みんなこの日のために命かけてるからな。」


「・・・バカみたい。」



仁奈ちゃんはぽつりとつぶやいて、あたしの頭をポンポンと撫でた。




「どうしたの仁奈ちゃん?」



「なんでもない。早く始まるといいね。」



「うん、楽しみ!」