「ーっと、そろそろ体育館いくか?」


盛り上がってた瞬と一馬くんに連れられて、体育館に向かった。



体育館は2つあって、大きい方の体育館に入った。



体育館に響くのは、きゅっと鳴る靴の音、そんなの目立たないくらいの大きな歓声。



もう始まってるんだ・・・。


わぁ、すごい・・、みんな足速い!!



正直バスケなんかよくわからないんだけど、あっち行ったりこっち行ったり・・・あんなに全速力なの?


つい立ち止まって見惚れてしまう。



「ちとせ、ギャラリー取っておいたから。行くぞ。」



瞬の声でようやく戻ってきて、階段のところまで移動した。



ギャラリーにいくにはこの階段をのぼるみたい。



「乗れよ。おぶってくから。」



瞬が階段の下で屈んで、あたしをおんぶしようと構えた。



「・・だ、大丈夫!これくらい登れるから・・!」



ゆっくりだけど、登ってみた。


なのに。



「いいから。病み上がりだろ。」


「わっ・・!」



・・・・お姫様だっこ!!!


恥ずかしすぎて、顔を両手で覆って、「大丈夫だから~!」って叫んでるあたし。



それを仁奈ちゃんと一馬くんが階段の下で笑ってた。



「・・・とーちゃく。」



「あ・・ありがと・・。」



あたしも瞬も真っ赤な顔して。



「瞬だっせー!」って瞬の赤面を一馬くんが茶化してる。



あたしは仁奈ちゃんに抱きついて、恥ずかしさを紛らわそうと努力するけど。



どきどきどきどき、うるさいよ・・。