「あらごめんなさい?…ねぇのあ凜に睨まれたんだけど」
あらら……
たぶんそれ踏みつけたからじゃないのかな…
「夏海…痛いッス…ひどいッス…」
「ごめんなさいね?」
「むうう夏海の上目遣いは敵ッス…」
ははは…
凜に上目遣いをして許しを乞う夏海はとても可愛い。
これは計算されてるね。
「あ!そうだッス夏海!」
「何かしら」
「うちの席のお隣りやっと来たッス!…でもソイツ無駄に地味男で…」
「…ん?どれどれ……ふぅん……そうかしら…ちゃんと見たの?凜」
夏海と一緒に今日やっときたクラスメイトをみる。
黒髪に黒縁眼鏡っていいなぁ…
凜にもわかって欲しいよ
「見たって…何をッスか?」
「わからないならいいわ。その内バレるはずよ。凜のお隣りさんのお名前は?」
「神咲玲って言ってたッス。のあと名字同じ読み方だったから覚えたッス」
「そう。ふぅん…ねぇのあ、神咲の事どう思う?」
「ふぇっ!?」
いきなり話を振られてびっくり。
いやぁ黒髪黒縁眼鏡はいいとおもうけど…
「へぇ、のあはそうきたの」
「へっ!?私何も言ってな…」
「フフッ。声に出てたわよ。」
ええっ!?
今日は口がゆるゆるだなぁ…気を付けなきゃ…
―――キーンコーン………
「んあっ!?本鈴なったッス!次!次数学だからやばいッス!課題がああ!」
「…あらあら」
そんなに急がなくても……
確かに数学の岡田瑠依«オカダルイ»先生は怖いけど、授業ちゃんと聞いてれば平気じゃない……
夏海呆れちゃってるよ
「私の席はのあの前の席だからね。凜と違って近くてよかったわぁ」
ははは…
確かに凜の席は教室のど真ん中。
そんな私達は1番窓側…6列目の1番後ろの前後2席。
日向でぽかぽかしてて気持ちいいんだよね〜
「あ、そうだ夏海休んでた分のノート」
「あら、ありがとう…のあのノートは見やすいし分かりやすいから好きだわ。さすが首席入学してるだけあるわね」
「ふふっよかったっそれに首席入学はたまたまだよー」
ノート喜んでくれて嬉しいなぁ…
もっと綺麗に書けるようにしなきゃ
―――――ガラガラッ…
あっ…岡田先生入ってきた……
数学の号令は岡田先生の指名制。
私じゃないといいんだけど…
「…よーし、授業始めるぞ〜今日は…っと…冴島«サエシマ»〜」
「えぇ………きりーつ、礼ー」
今日は冴島くんか…
よかったぁ…