あれから半月も過ぎ、

神咲くんとは少しも会話することなく、夏海たちと遊んだり平穏に過ごしていたある日。




「…神崎さん。ちょっと来て。……助けて」



四時間目が終わり、神咲くんが神妙な面持ちで、お弁当を持って夏海たちのところへと行こうとしていた私に声をかけてきた。



「神咲くん?どうしたの?」



「いいから。はやく」



そう言い焦る彼は何かに焦らされているかのようだった。



「ちょ…ちょっとまってっ」


そんな私の言葉など耳を傾けずにぐいぐい腕を掴んで引っ張っていく。





ーーーーついた先は温室の中のあのベンチだった。