「……ふぅ。…………どこが"サッカー部の王子様"なんだか」
「え!?そうなの!?」
……え、知らなかった……
「……その顔だと知らないだろうね。神崎さん疎そうだし」
「う、疎くないもんっ」
「疎い、でしょ?」
あ、う。
お顔が怖いよ神咲くん…
「……で。さっきの"なにがあったの?"みたいな顔やめてくれない?…顔が間抜け過ぎてバカみたい」
…………な、ななな…
なんてこと言うのっ
間抜けじゃないのに〜っ
「…じゃ、俺は昼寝に戻るか「神咲くん!」……ら……はぁ。」
ずんずん前に歩き神咲くんのワイシャツをくしゃっと握る。
「わ、私はバカじゃない…もふぅっ!?」
「……へぇ?知らない男にノコノコ付いてく女ほどバカって事知らないの?」
私のほっぺを片手でつまむと神咲くんは意地悪そうに言った。
「…ひゃっひゃって…こちょわれにゃくて……むむぅっ!」
「……………あっそ。まぁ、神崎さんが危険になっても俺は知らないし。勝手にすれば?……まぁ、またさっきみたいになりたければ…の話だけど」
そういうと神咲くんはぽいっとほっぺを離すと屋上から出て行ってしまった。
普通そんな事言われたら誰もノコノコ付いていかなくなるよね……………
「……ごめんなさい」
私は誰もいなくなった屋上でポツリと神咲くんに謝った。