ベンチに寝ている男の子を発見。
「あの……、っ!?」
近くまでいって誰なのか確認しようとそばに行ってみたら…
「わぁっ……綺麗な顔…」
ふわふわな蜂蜜色の髪の毛
キメの細かい真っ白な肌
びっしり生えた長い睫毛、少し彫りの深い顔
スッと鼻筋の通った鼻
小さく薄い唇、長い手足…
どれをとってもパーフェクトなそれは……
「王子様みたい……」
本当に"王子様"っていう言葉がぴったりな男の子。
でも、結白にこんな人っていなかったような……
いたら絶対騒がれているよね………
うーん。でも……
なんか、"Rei"に
似ているようなうーん……
それよりも……っ
「…あのっ」
ゆさゆさ男の子の体を揺らす。
いくら温室でもよくないよ…
「…起きて…下さい…っ」
「…んっ…………んん」
「………あっ…起きましたね?」
「………………誰?」
男の子が眠そうに目をこすりながら言う
…うわぁ……綺麗な琥珀色の目……
目を開けて更にかっこよくなっちゃうのはずるいなぁ…
「………ねぇ。聞いてるの?」
「あっ…えっと、私は1-D組 神崎のあです。あなたは?」
「んっ」と体を起こしベンチにちゃんと座った男の子。
お名前…なんだろう…
「……玲。神咲玲」
えっ!?それは…
「う、嘘だ!だって神咲くんは黒髪黒縁眼鏡だったもん!」
「嘘じゃない。ほらこれ証拠」
証拠といって渡されたのは黒髪ウィッグと黒縁眼鏡。
えっ…本当…なんだ…
「ほ、本当なんだね……」
「嘘言ってどうするの?…あ、そうだ遠藤夏海にならこの事言ってもいいけど、もう一人には言わないで」
「…へ?なんで凜?」
「あの子すぐにバラしそうだから」
そんな事はないのに…
でもまぁ、言わないほうがいいのかな…
あれ?じゃあ、
「なんで夏海ならいいの?」
「……アイツに聞いたほうが早いから」
そ、そう……
うぅん……
まぁいいや、夏海に直接聞こう。
私が悩んでいる隙にウィッグと眼鏡をササッとつけてしまった神咲くん。
「………教室。行くんじゃないの」
「……へ!?あ、ああいくよっ」
神咲くんは無言のまま温室のドアをあけて私を先に通してくれた。
「ここからは別の方がいいでしょ?先に行って」
「わ、わかった…じゃあね神咲くん!」