うわ‥どうしよ‥


「いーくんっ、無理だよー‥」

「大丈夫。僕に合わせて。」

いーくんがステップを踏む。
私はなんとかそれに合わせる。


「きゃーっ、伊織様よ!」
「ダンスも上手!」
「あ、でも一緒に踊ってる子、下手くそ。」
そう言って女子がクスクス笑う声が聞こえる。

ほんと、恥ずかしい。
穴があったら入りたい‥


「いーくん、やっぱ私‥」

「さくらちゃん、余計なこと考えないで。僕のことだけを見て。僕のことを感じて。」

そんな恥ずかしいセリフも、いーくんが言えばかっこいいものになって‥
私は思わずドキっとする。