と、その時。

「今から、親睦を目的とし、ダンスミュージックを流します。男女関係なく、ダンスを踊って、皆で親睦を深めましょう」

そんなアナウンスとともに音楽が流れ始める。


これがチャンスだ。
私は早口で言う。
「ほら、ダンスの時間だし、いーくんと踊りたい女の子たくさんいると思うから‥」
そう言ってその場を立ち去ろうとした。



けど‥

「さくらちゃん、じゃあ、せめて一曲だけでも一緒に踊ってくれない?」


「えっ!?ダンス?いーくんと?」

「うん。」

「むりむりむり!踊ったことないもの。」

「大丈夫。僕がエスコートするから。」

そう言って、半ば無理やりに、会場の中心まで引っ張られてしまった。