むんっと胸を張り、宣言してくれるお岩さん。


その頼もしい姿と彼女の気持ちが、とてもありがたい。



凍雨くんも塔子さんもマロさんも。


絹糸もしま子も。


みんながあたしのことを、懸命に守ろうとしてくれる。


そんな優しい仲間の存在が、ものすごくものすごく嬉しかった。


それと同時に・・・・・・


どうしても門川君のことが頭をよぎる。



一番、守って欲しい人なのに。


あなただけが、あたしを守ってくれない。


お互いに生涯をかけて守り合うと誓い合った人なのに。


こんなの、ただのひがみ根性みたいなものだって、自分でも分かってるけど。



『もう僕と一緒にいるのが嫌になったんだろう? それは、裏切りだ』



あの時の言葉が、大きなトゲのように心に深く突き刺さっている。


彼のことを思っての行為が伝わらない。


そのことが、悲しくて虚しく思えてならない。


なんだか、あたしだけが一生懸命になっている気がするんだ。


空回りしてる。バランスが崩れてる。


あたしの気持ちばかりが重くて、門川君の気持ちなんて・・・。



「うああぁぁ~~・・・」


ぼうっと考え込んでいるあたしの前に、ヒョコっと赤い大きな体が現れた。