浄火は、泣いている彼の両肩を大きく揺すって問い詰める。


「それで村の皆は、今どうしてる!? その赤鬼はどうなった!?」


「あの鬼は、みんなで捕えた。これから海に突き落として処刑するところだ」


「な・・・・・・!?」


「長の許可を求めに来たが、みんな殺気立っていたから、ひょっとしたら今頃はもうとっくに・・・」


「しま子ーーーーー!!」


あたしは無我夢中で身を翻し、脱兎のごとくに駆け出していた。


今すぐしま子の所へ行かなきゃ!


やっぱり置き去りにするべきじゃなかった!


ごめんなさいしま子! 今すぐ、今すぐ行くから・・・


「待っててしま子ー!」


「こら里緒! お前がちょっと待て!」


後ろから浄火に肩をつかまれ、グイッと引き止められた。


あたしはヨロけて転びそうになりながら、懸命にその手を振り払おうとする。


「離してー! 邪魔しないで!」


「頭を冷やせ! お前、処刑場の場所知ってるのかよ!?」


「お願いだから止めないで! しま子を助けに行かせて!」


「天内の小娘、慌てるんじゃないよ!」


「アマンダ落ち着いて! わたくし達も一緒に行きますわ!」


主さんをネックレスのように首に巻いたお岩さんが、強張った顔で走ってくる。