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ええぇぇぇーーーーーっ!?


「それって信子ババのことか!?」

「ウルトラ強欲因業ババが!?」

「あのババァがですの!?」


三人同時に叫んだから、ただのゴチャゴチャな不協和音にしか聞こえなかった。


ひとり温度差のある主さんが、ノンキな声を出す。


「はぁ? ・・・ばば?」


唯一聞き取れたらしい『ババ』の部分に反応して首を傾げた。


「あんたら、何をそんなに驚いてるんだい? ばばがどうしたって?」


たぶん絹糸から、詳しい説明を聞いて来る時間が無かったんだろう。


説明してあげたいけど、あんまり驚きすぎてそんな余裕も無い。


あの因業ババが、あたし達の探していた産婆さん?


あのババが!? あの・・・ババがぁ!?


「お、お岩さん、知らなかったの!? 今までぜんぜん気が付かなかったの!?」


「き、気付くも、なにも・・・!」


お岩さんは激しく首を横に振る。


「前に言いましたでしょ? 権田原の地位は低いって」


あ・・・そう言えば、小作りマシーンが里に来た時に聞いた気がする。


権田原の地位は低いから、大物相手とはほとんど面識がないって。