こ、この、意地悪ババぁ・・・!


年寄りだと思って遠慮してれば、調子良く波に乗りやがってぇ!


よくもあたしの目の前で主さんにケンカ売ってくれたな!?


買うぞ! 売られたケンカは買ってやる!


お望み通り高額査定で即金買い取りしてやる!


「ちょっと! あたし達の命の恩人の主さんに対してそんな暴言・・・!」


「ふうん。そりゃ申し訳ないねぇ。そんなに嫌がられるたぁ、知らなかったもんでね」


ツバを飛ばして怒鳴りかけたあたしの横で、主さんがノンビリと答えた。


「まあ知ったところで、ここから去るつもりなんて微塵も無いけどね」


主さんは長の発言なんか、まるで気にもとめていないみたいだった。


対して、長の厚ぼったい細い目はどこまでも軽蔑した目で主さんを見ている。


薄暗い中で、譲らぬ視線が絡み合った。