俯いていると陸斗が
いることに気づいてハッとした。

「お前さ?...まだ、ゆうひのこ」
「あっ!り、陸斗今日付き合って!」

私は咄嗟に陸斗の言葉を
さえぎっていた。


旭川 夕陽....

夕陽は私の初恋の人。
ずっと、ずーーーっと好きだった。
そしてきっと今でも.....

でも夕陽にはずっと付き合っている
人がいて。きっと今も。

でも私は夕陽が付き合ってた事も
しらずにいていい気になってた。

夕陽は私に優しくて
いつも笑顔で笑いかけてくれて


でもある日。

「ごめんね。沙耶。
俺さ、本当は彼女居るんだ。」

私の頭は真っ白。
心はズタズタに。

ぢゃあなんで私の事
彼女みたいに扱ってたの?

あの時の笑顔も優しさも
全部うそだったのかな?

そして、この一言で夕陽の
声を聞くのが最後になってしまった...


夕陽は遠くに引っ越したと聞いた。
でも私はどこに引っ越したのかは
聞きたくなかったから聞かなかった。


夕陽の事を自分から
切ろうとしていた。