~ ひなた ~


「帰るか」


父親が部屋から出てくると、そう言う。


あたしはその言葉に、立ち上がった。


「タカヤ。、、、会ってくれるかな?」


あたしは、父親に尋ねる。


「どうだろうな~。でも、あいつは逃げる男じゃねぇよ」


そう言うと、父親は笑った。


そんな父親の姿に、なぜか、、、安心した。


「お父さん、、、」

「カッコいいか?」


なぜか、自信満々にそんなことを言う。


「、、、不器用だよね」

「ひなた。それ、どういう意味だよ」


そう言い、立ち止まる父親をほっといて、あたしは歩き出した。


ありがとう、お父さん。


そう言いたかったけど、なんとなく言うのを止めた。