ううん、だけど昨日は確実にあたしに対して怒ってたよね。
もっと苦しめって、一体どんな意味で言ったの?
「昨日のことは忘れろって言っただろうが」
「いや、でもっ」
……ムリだし。
気になるし。
「一睡も出来ねぇくらい、俺のこと考えてたんだろ?」
真剣な瞳で、じっと顔を見られた。
長い前髪の隙間から覗くキリッとした瞳に、不意に昨日のことが蘇って頬がボッと赤くなる。
な、なんか恥ずかしい……。
変な気分。
歯がゆくてムズムズする。
「う、うん……」
ためらいがちに返事をすると、爽は真剣な表情を崩してぷっと吹き出した。