そんなワケないのに。



「噂をすれば桐谷だ。なんか怖い顔してこっちに来てるけど」



「えっ?」



しんちゃんの言葉に顔を上げた。



遠くの方から爽がズンズンこっちに向かって歩いて来る。



それはもう、とてつもなく鋭く尖ったオーラを放ちながら。



思わずブルッと身震いする。



や、やっぱり、怒っていらっしゃる……?



「確実に俺のせいだな」



もはや、しんちゃんの言ってる意味がわからない。



う、うわ。


明らかに怒ってるよ。



やっぱりあたし、また何かやらかした?