「お前は使えるからな。それなりには重宝するぞ。」


「いつでも使ってくれて構いません。ただ、私を女というだけで隊士と差をつけないで下さい。」


「出来るかよ、んなこと。大体、お前の方が強いんだから差なんてつけるかよ。」


悠は頭が畳につくほど下げた。
土方は目を丸くした。


「死ぬ覚悟はいつでもあります故。土方副長の思うままに…」


「お前、気持ちわりぃぞ…」


「仕方ないことです。元々、こんな感じですよ。昔は弟子のようでしたが…。懐かしいものですね…」


悠は大きな声で笑った。
土方は少し顔を赤らめた。

土方は野戦型だ。
それをいち早く見抜いたのは悠だった。

だから、これ以上色んなところの道場を回っても無駄だと言ったこともあった。


「誰が弟子だ。……そろそろ来る頃か。」


土方がそう呟いた時、勢いよく襖が開いた。
そこにいたのはニコニコとしている沖田だった。