「……お前のことを見て長州の奴らが恐れたようじゃねぇか。真っ赤な籠手に二本の刀ってな。」
悠は笑った。
そして、それと同時に安心した。
それしか聞いていないんだと。
「いいことじゃないですか、私を恐れたんですから。」
「はっ!よく言うぜ。」
土方は笑った。
ただ、土方はまだ聞かなければならないことがあった。
「吉田と知り合いか?」
吉田と出くわした時、その場には永倉がいた。
全て、土方に伝えたのだろう。
そして、土方も永倉も疑いたくはなくこうして聞いてきている。
あぁ…
私に違うと言って欲しいのか…
でも、土方さんごめんね。
「私は…吉田と知り合いですよ。」
もう隠せない。
隠しても仕方ないから。