「そんなの私知りませんよ!?」









沖田が驚きのあまり声を大きく張り上げた。
その様子が可笑しくて悠は笑う。


「俺も知らなかったぞ。」


近藤も知らない。
なら一体、誰が知っていようか。
いや、誰もいないだろう。


「文を書こうか悩んだのですが、このまま行って驚かせるのも悪くないかと。」


悠は笑った。
何より、誰よりこの場の雰囲気を楽しんでいた。


「変わらねぇな、相変わらず。」


「そう簡単に人は変わりませんよ。隊士の皆さん、これからよろしくお願いしますね。ちなみに、私は女ですよ。」


「「はぁー!?」」


反射的に声を上げたが納得がいく者もいた。
この身体の細さといえ、声の高さ。
女と言われれば納得がいく。

けれど、藤堂だけは納得がいかなかった。

あの重い一撃は何だったのか疑問に思った。


「こいつぁ、俺があっちこっちの道場回ってた時の道場主だ。強いぞ。」


「まぁまぁ、その辺にしておいて下さい。私は隊士と同じ扱いで結構ですので。部屋も同じで構いません。」


悠と土方は道場から出ていった。