「御用改めである!手向かう者は容赦なく斬り捨てる!」
近藤が叫んだ。
その時、二階から数人の浪士たちが顔を出した。
その男たちは新撰組だと分かると刀を抜き、駆け下りてきた。
悠は二本の刀を抜いた。
沖田が凄い早さで駆け上がると同時に男たちは斬られていった。
真夜中に、真っ暗な闇の中で斬り合いが始まった。
響くのは人の声と刀がぶつかる音。
「真っ赤な籠手に…二本の刀……!」
男の一人が言った。
そして、怯えるように後ずさった。
そこを永倉が容赦なく斬った。
「悠、有名だねぇ、随分と。」
永倉がこう言うには理由があった。
斬り捨てる時に何人もが悠の姿を見て死に際に何かを言っていたのだ。