「まずは、死なないこと。何があるか分からないから。五人は一緒に動いて。いい?」


「分かりました。」


「頼んだよ、久馬。」


満月が真上にある夜。
月明かりが池田屋と書かれた看板を照らしている。

不気味なほど静かで何の音もしない。


「総司、新八、平助、そして悠。俺と中に行く。残りの隊士は外を固めるんだ。」


「やろうか…。平助、死ぬなよ。」


「新八っつぁん!誰にもの言ってるのさ。」


不思議と緊張しなかった。
幹部がこんなのだからであろう。

ただ、零番組だけは気を引き締めていた。


「何かあったら呼んで。すぐ行くから。……死なないで。」


別れ際に言った悠の言葉はしっかりと零番組の耳に入っていた。