広間に行くとまた幹部が集まっていた。
中心にいるのは土方と近藤だ。


「悠、零番組はどうする?」


「全員一致で行きます。」


土方はニヤリと笑った。
この人の考えていることは分からない。

何十手先も読んでいるかのようだった。
全てはこの人の思惑通りではないかと思うほど。


「で、何を吐いたんですかー?」


「風の強い日に京に火を放ち、その混乱に乗じて天子様を連れ出すって馬鹿なことを考えていやがった。」


周りはざわついた。
そんなことを考えることの方がおかしい。


「長州の奴らは何考えてんだろうねぇ…」


その時、襖の外に気配がした。
悠は刀に手をかけた。


「悠、落ち着け。監察方だ。」


突然現れた気配に注意を施すにこしたことはない。


「副長、池田屋か、四国屋かと…」


「そうか、ご苦労。」


監察方はただ報告だけを済ませ、去っていった。
それを見た悠は刀から手を離した。