「悠さんに何があったかなんて無理矢理に聞くつもりはありません。…何かあったら言って下さいね。」
沖田はにっこり笑った。
そして、部屋から出ていった。
あれだけ聞こえていた悲鳴もいつの間にか静かになっていた。
悠は立ち上がり、道場に行った。
そこには素振りをしているような音が響いていた。
「誰だ…!」
「悠だよ。……金吾、もしかしていつも終わってからやってたの?」
そこには上田がいた。
たった一人で何度も素振りをしていたようだ。
これは道理で強くなる訳だ。
「そう。こうでもしないと皆に置いていかれる
。」
悠は木刀を取り出した。
そして、構えては振り下ろし、また構えては振り下ろした。
「私もよくやったなぁ…」
「悠が…か?」
何故か驚いている上田。
悠は笑った。