「じゃあ、一番組行きますか!」
元気よく屯所から出た。
沖田は相変わらず何をやるにしても楽しそうな雰囲気を醸し出している。
「悠さん、すみませんね…。一番組を手伝ってもらっちゃって。」
「気にしないで!それにどういうことか病人が多いしさ…」
何故か病人が多く、各組沢山欠員が出ている。
一番組は特に多かった。
だから、悠が駆り出されたのだ。
「こーんな大事な日に風邪とかあり得ません!私なら風邪を引いても行きますよ!」
「ははっ!沖田さんならやりそう。」
楽しそうに話しているのも今のうち。
目的の場所、桝屋に着いた。
特に変わったところもなく、繁盛している普通の店のように見えた。
「さて、やりますか…」
沖田を先頭に店の前までやってきた。
今回は捕縛。
殺すことが目的ではない。
「すみませーん…。此処に武器弾薬を隠し持っているって聞いたんで、中見させてもらいますね。」
沖田からはあの時のような殺気は感じられなかった。
沖田は次々と指示を出していく。
店主、桝屋喜右衛門は慌てふためいていた。
「逃げないで下さいね。貴方を斬ることになります。」
悠が縛り上げていた。
もう誰も逃げることは出来ない。
そのまま屯所へと連行された。
「何故、お前が此処にいる?悠。」
喜右衛門は悠のことを知っているようだった。